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#2 - 変わらない本質:三星グループの李健熙(イ·ゴンヒ)会長の経営とインサイト

政治経済学的観点と社会的責任を盛り込んだ成功ストーリー

0. Introduction

私の母校である早稲田大学政治経済学部には、恐らく日本国内で唯一の韓国人名の図書館である「李建熙図書館」があります。それをきっかけに李建熙会長についてもっと知りたいと思いましたが、時間が経ち、卒業まであと3か月も残っていませんので、彼の唯一の著書である「考えながら世界を見よう」という本を読むことになりました。^^

政治経済学は、経済学的分析方法を通じて政府と社会の機能を分析する学問ですが、李建熙会長は個人、企業、そして国家の視点から本質を定義し、分析し、グローバルな基準をリードできる構造的なイノベーションを追求する経営によって政治経済学を備えた経営者が持つべき考えと実践の信念を証明していると思います。

最近、日本の地下鉄で「経営の神」と称されるパナソニックグループの創業者、松下幸之助の書籍広告を見ることがありました。彼が亡くなってから38年が経ちましたが、今でも日本社会では、彼を世界的な業績と国内の経済発展への貢献者として記録と研究を通じてあなたと当時の知恵を受け継ごうとする努力を見ることができます。私はこのような研究と知恵を引き継ぐ文化が生まれて欲しいという思いから、李建熙会長の書籍の中で印象に残った部分を引用して共有したいと思います。

個人的に感銘を受た内容を以下のカテゴリに分類して引用しました。分類は私の基準で行いました。「失敗と挑戦」「グローバル戦略家としての役割」「一流企業の要件」「文化とデザイン」「インフラと競争力」「イメージとエチケット」「シナリオ経営と将来展望」「世紀末的な変化と革新」「国家の競争力とイメージの改善」「国民-政府-企業の協力」などを中心に引用文を分類しました。

李建熙会長の考えと哲学を理解する過程を通じて、私たちの社会と経済がより良い方向に向かうために、知恵を得るきっかけになればと思います。

ありがとうございました。

1. 失敗と挑戦

  • 失敗は病気にかかっているのに、失敗そのものが怖くて縮まった人が多い。 自分のミスを正直に認め、失敗を自認する勇気ある人を見るのは容易ではない。 私は小さな成功の累積をあまり歓迎しない。 小さな成功でうぬぼれに陥り、より大きな失敗をもたらすケースを多く見せてきたし、小さな成功に満足する平凡な人より失敗を恐れない挑戦的人物が組織を太らせることができると信じているからだ。 特定地域に限られる国内向け管理者から脱し、全世界を号令できるグローバル戦略家として生まれ変わらなければならない。 そのためには意識の国際化が先行されなければならない。 他人を困らせ、自分のものだけを守ろうとする閉鎖的な姿勢では、他の文化を包容することはできない。 意識の排他性を打破し、心の窓を開けなければならず、国際社会で通用するエチケットも兼ね備えなければならない。 

    <イ·ゴンヒエッセイ:企業にも精金の法則がある> P.76

  • 先親(サムスン創業者イ·ビョンチョル)は事業成功の要として運、根、屯の3つを挙げた。 ここで自分なりの解釈を加えるなら、まず運という環境変化に適応することに成功したことを願う。 そのため、運の裏には人知れぬ苦悩と努力が隠れている。 そして根とは、顧客の信頼を得るための根気と執念を意味し。 鈍は小細工をせずに基本に忠実な姿勢を意味する。 私は先親がおっしゃった運、根、屯を念頭に置きながら事業する心構えを次のように決めている。

    • まず、事業初期に固めた初心を最後まで維持することだ。 企業家が一瞬の成功や失敗に動揺すれば、大きな成功は得られないと思う。 事業の好不活の度に、私がこの事業をなぜ始めたのかを諮問しながら初心を再び刻むのもそのためだ。

    • 第二に、一時的利益よりは信用を得ようとしなければならない。 どんな顧客も良い品質と親切なサービスを望んでおらず、不良品や不親切を望んでいない。 そして、顧客に一度信用を失えば、いくら良い品質、安い価格でも顧客の足を引き戻すことは難しい。

    • 三つ目は人だ。 私は人を疎かにする企業は長続きしないと思う。 技術発達が自動化を実現し、コミューパーがシステム化をもたらすとしても、仕事の中心は常に人だ。 私は経営者として人を疎かにして得たお金は無意味で恥ずかしいお金だと思う。

    • 最後に、企業の社会的責任を忘れてはならない。 企業の経営不振は、企業主や経営陣だけの不幸に終わらない。 数多くの従業員とその家族の生計、協力会社の経営に負担をかけ、ひいては国民経済全体にしわ寄せを与える。 企業家は知らないうちに、企業経営の重大な社会的責任を自覚し、自分の企業を豊かに太らせなければならない。

私は1000年にローマが滅亡したのは外部の脅威ではなく内部の矛盾のためだったと思う。 企業家は組織に現れる傲慢と傲慢を常に警戒しなければならない。 事業が自分の力だけでできると考えた瞬間、怠慢と腐敗が始まり、顧客や製品開発に疎かになる。 自然に信用とすでに墜落が伴うし。 そうなれば、その企業にはこれ以上未来がなくなるのだ。

<イ·ゴンヒ エッセイ:事業をする人の心構え>P.288

2. グローバル戦略家としての役割

  • 結局、今日資本主義を導いている原動力は、すべてを自ら判断し、結果に対して責任を負う自律性だと言っても過言ではない。 自律は自らの行動に対する責任が伴う時に初めて力を持つ。 義務と責任が伴うが、成功の機会と権利を享受でき、それだけ達成感を感じられる自律と義務と責任はないが、機会はもちろん最小限のやりがいさえ期待できない打率。 どちらを選ぶべきかはあまりにも明らかだ。 単に個人の利益だけを追求するのではなく、全体を考慮し、グローバル時代に適した戦略とビジョンを持つリーダーにならなければならない。

    <イ·ゴンヒエッセイ:共生の共同体を夢見て>P.211

  • 韓国社会には未来の大きな利益を育てるよりも、目の前に見える小さな利益に執着する風潮と蔓延している。 社会全体の雰囲気も目的の利益だけに執着する「短波人間」が多くなり、一発主義が盛んになっている。 未来の遠大な設計はおろか素朴な夢さえ見つけられない厳しい世の中になった。 国の政策もあまりにも頻繁に変わると、進展することなく財政だけが浪費される。 政策を立案する時は短くは10年、長くは100年を見通す目がなければならない。 当代の小さな利益を取るより、後代のための種になるという自己犠牲の覚悟も必要だ。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:100年後を考えよう> P.233

  • 私は「経営は総合芸術」だと思う。 優れた映画の裏には必ず名監督がいるように、立派な経営の裏には卓越した経営者がいる。 急変する環境に対応して企業を発展させる主体は人であり、その中でも最も重要な人がまさに経営者だ。 21世紀型経営者は自ら変化を起こし、柔軟な組織文化を創造できなければならない。 変化に対する明確な方向を提示し、組織内に伝播できる哲学者の経験が求められる。 21世紀の未来経営者が備えなければならない条件は4つに整理できる。

    • まず知恵を備えなければならない。

      • 物事と人間の本質を見抜きつつ、未来の変化に対する洞察力と直観で機会を先取りする戦略を創造していかなければならない。 管理の失敗はいつでも回復できるが、方向を間違えた戦略の失敗は会社を滅ぼす恐れがある。

    • 次に革新を追求しなければならない。

      • 現状に安住するより、常に新しいことに挑戦する変化追求型経営者にならなければならない。 にもかかわらず、私たちの周辺には変化忌避型経営者がさらに多い。

    • また、危機と機会が交差する環境変化にいち早く対応するためには、経営者自らが高感度、高付加価値情報の数、発信者の役割を果たさなければならない。

      • 情報の洪水の中で人より多くの情報を持っているということを答えを知って試験を受けるようなものだ。

    • 最後に、未来の経営者は狭い国内市場に縛られるよりも、広い世界市場で競争できなければならない。

    • そのような意味で、国際的感覚は未来の経営者が備えるべき必須条件だ。

<イ·ゴンヒ エッセイ:未来経営者の姿>P.271

3. 一流企業の要件

  • 超一流企業とは、将来を予測してそれに合わせて準備する「問題定義型」企業である。 すでに発生した問題を解決することだけに汲々としている「問題解決型」企業は決して超一流企業にはなれないという意味だ。 来るべき問題を事前に定義して対応策を講じておく企業なら、超一流企業の隊列に合流する可能性があると言える。

    <イ·ゴンヒエッセイ:1等の余裕>P.86

  • サムスンが非導体事業を始めて83年に64kラムを開発し、10年の64MDラムを世界で初めて開発できたのも技術料を惜しまなかったためだと思う。私は技術を導入しながら技術料を彼らが望むより多く与え、技術者を迎え入れる時も給与を当時のサムスン電子社長より3倍も与え技術者の自尊心を精一杯に立ててくれた。 しかし、忘れてはならないことがある。 どんな方法で技術を導入しても肝に銘じなければならないのは、ただお金を払って物を買ってくるようにするのではなく、その技術を身につけて自分のものにするという真剣な姿勢と熱意がなければならないということだ。 学ぶ時は頭を下げて謙遜にできるだけ最大値を引き出すよう積極性を示さなければならない。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:技術料の魔術> P.172

  • 他人が知らない情報を一人で持っていてこそ権威が生まれるという考え方は、果敢に捨てなければならない時だ。 企業がうまくいくためには、すべての情報を公開しなければならない。 公開された会社の実状を前に従業員が共に喜び悩む時、会社は元気になり発展できると信じている。

    <イ·ゴンヒエッセイ:情報独占の弊害>P.163

  • 6月7日にフランクフルトで始まって以来、68日間の長い日程だった。 私が新経営を宣言して「新経営大長征」とまで呼ばれたという懇談会を持ったのは、構造的な問題はその根本から解決しなければならず、その根本は人の心にあると考えたためだ。

    <イ·ゴンヒエッセイ:68日間の海外懇談会>P.242

  • 韓国企業に求められる重要なのが核心力量を備えることだ。 核心力量を開発するためには、絶え間ない研究努力と投資が後押しされなければならない。 しかし何より重要なのは、会社が追求する業の概念と会社が持つ強弱点が何かを確実に把握することだ。 そうしてこそその業が進む方向に合わせて、そしてその業に合う会社の強みだけを生かしてきちんと研究し投資もできるためだ。 簡単に言えば、自分自身の姿からきちんと知ろうということだ。

    <イ·ゴンヒエッセイ:核心力量と業の概念>, p.264

4. 文化とデザイン

  • 国内外で天才級デザイナーを確保し、感覚のある青少年を幼い頃からデザイナーに育成しなければならない。 また、デザイナーたちに世界最高級品をいくらでも買って使える権限を与えるなど、経営者に劣らない影響力を発揮させるべきだ。 そうしてこそ、世界的な競争力を備えた名品が生まれる。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:デザインが決める> p.94-5

  • 今後、企業が作る製品には、その企業の文化とイメージが含まれなければならない。 文化的な競争力は一夜にして生まれるのではなく、長い時間と努力を経て形成される。 企業は独自の独特な文化と価値観を持っていなければならず、これを製品とサービスに反映して差別化された競争力を備えなければならない。 また、デザインも製品の機能性だけでなく、視覚的な美しさとユーザー経験を考慮しなければならない。 文化とデザインは企業のイメージを形成し、消費者の認識と選好度に大きな影響を及ぼすため、重要な競争要素だ。

    <イ·ゴンヒエッセイ:文化とインフラを育てよう>P.194、

  • 私たちは一日も早く二国択一の思考、対立の思考から抜け出さなければならないと思う。 21世紀は対立するもの、矛盾するものが融合する時代だ。 世の中には黒と白以外にも数多くの色がある。 黒と白の間にも多様な明度の灰色がある。 この多様性を受け入れるのがファジー式思考だ。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:二兎狩り>, P.248

5. インフラと競争力

  • 実際、私個人やサムスンの境遇だけを考えると、自動車事業のために苦労してする必要はない。 しかし、輸出で食べていかなければならない韓国の経済構造と自動車産業の水準を見ると、誰かは必ず新たに参加してその水準を一段階高めるべきだと考えた。

    <イ·ゴンヒエッセイ:インフラと競争力>p.90

  • 韓国は3面が海なのに 北側が塞がっていて事実上島と同じで、輸出入貨物の99%が海上で動いているのに港湾施設は先進国の23分の1に過ぎない。 多国籍企業が海外投資をする場合、流通に必要な基盤がどれほど整っているかを最も重要な条件として問い詰める。 過去のインフラは「産業の乳腺」に通じたが、今は「国家の乳腺」と言うほどその重要性が高まった。

    <イ·ゴンヒエッセイ:インフラと競争力>p.96

  • 時間が新しい経営資源として浮上し、これを活用するかが企業経営の要となった。 我々は資本や技術が非常に不足している状態で、時間という資源を適切に活用し、短時間で高度成長する「成し遂げる神話」を作り出した。 これからは時間競争力の質的次元を一段階高める「早く」を「先に」の概念に切り替えなければならない。 先が戦わずに勝てる方法だ。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:早くから先に>P.177

    6. イメージとエチケット

  • 企業のイメージは重要な競争要素だ。 良いイメージを持つ企業は消費者に信頼を与え、競争力を備えることになる。 イメージは企業の文化、価値観、製品とサービスの品質などを反映している。 またエチケットも重要な要素として、企業は倫理的な行動と尊重する態度を持たなければならない。 イメージとエチケットを考慮する企業は社会的に肯定的な認識を得ることになり、これが競争力を向上させる原動力となる。

    <イ·ゴンヒエッセイ:文化とインフラを育てよう>P.94、3番目

  • 韓国国民は当然国産品を買わなければならないという安易な考え方は、もう一つの精神的敗北主義に過ぎない。 今私たちに必要なのは国産品に対する過保護ではなく、消費者の厳正な評価と厳しい品質改善要求、そしてこれに対応しようとする企業の真剣な努力だ。 気難しい消費者がいてこそ一流品質と製品が作られるものだ。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:消費者のムチ>p.99

  • 社会的には情報化の影響で世界中の文化が同質化している。 そこに個性を重視する新しい価値観が登場し、この変化の方向も予測できない。 結局、私たちは人類史上最も急激な変革期に生きている。 過去5000年の変化より最近100年の変化がさらに無双であり、その100年よりは今から5年、10年間の変化がさらに激しくなるだろう。

    <イ·ゴンヒエッセイ:世紀末的変化>p.113

  • 一国の力は、その国の国民の精神的力の合計といえる。 このような力を生み出す源泉は家庭である。 団欒な家庭が健康な社会を作っていく土台だ。 家庭が正しくなければ、社会も国も正しく立つことはできない。 したがって一流企業を形成するためには、家庭から出発しなければならない。 家庭では倫理的価値と責任感を重視し、協力と共生の精神を実践しなければならない。 家庭構成員間のコミュニケーションと協力は一流企業を構成する組織内の意思決定と協業にも影響を及ぼす。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:家庭から正そう> P.217

  • 信頼は一人や二人の美徳ではなく、国民の財産だ。 その上、この財産は使えば使うほど増える特性がある。 私たちはこのような社会共同の財産をもっと価値あるものに使わなければならない。 21世紀には、すべての経済的行為の結果を互いに信頼でき、不必要な確認費用を節約できる国がリードすることを念頭に置かなければならない。

    <イ·ゴンヒエッセイ:信頼と国家競争力>P.231

7. シナリオ経営

  • 競争者が多くなり環境が急変する状況にまだどんぶり勘定式感覚だけに依存して「綱渡り式」経営に固執するならば、これは企業を賭博場に追い込むことに他ならない。 未来の環境変化とライバル会社の戦略を予測し、対応策を事前に準備しておくシナリオ経営こそ、無限競争の渦の中で競争優位を占めるための基本要件といえる。シナリオ経営は国にも必要だ。 統一時代に備えてシナリオを作り、すべてを準備する劉備無換の努力がなければならない。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:シナリオ経営>p.111

  • 最高を知らずには最高になれないからだ。

    <イ·ゴンヒエッセイ:ゼロックスの三顧草慮>p.119

  • 今は物事に対する観点を所有から使用に変える時が来た。 未来は「何度もなくし、減らして新しいものを迎える余裕を確保する」発想の転換を求めている。

    <イ·ゴンヒエッセイ:所有価値と使用価値>p.161

  • シナリオ経営は未来を予測し備える戦略的なアプローチだ。 企業は将来の展望を正確に把握し、多様なシナリオを考慮して柔軟に対応しなければならない。 未来に対する展望力は企業の競争力を大きく左右する。 シナリオ経営を通じて企業は不確実な環境でも積極的に変化し革新することができ、これは競争優位をもたらす。

    <イ·ゴンヒエッセイ:世の中を変える力>P.252

  • 企業は生きている有機体と見ることができる。 そのままにしておけば、まるで生物体のように老化して消滅する。 創業期に活発に成長していた企業がまもなく成熟期を迎え、その時点で変身できなければ没落する。 どの産業も繁栄の頂点に達すると衰退の道に入る運命を避けられない。 長寿企業に行く条件はいろいろあるだろうが、私が思うに次の3つを備えれば少なくとも企業寿命30年説は破ることができると思う。

    第一に、危機意識が高くなければならない。 真の危機意識は、たとえ事業がうまくいって業界トップの位置にある時でも、常に将来を心配する姿勢だ。

    第二に、変化に対応する力を育てることだ。 まず、組織と事業において必要のない無駄を取り除かなければならない。

    次の段階としては、長期的、未来志向的に事業を経営しなければならない。 短期的な目で事業をしていると、弁護する環境に苦しみ、結局は脱力してしまう。

    最後に自律と創意が発揮される企業文化が必要だ。 企業は成長するほど中央集権的になりやすい属性がある。 このような雰囲気の中では、決して創造的な変化はない。

    <イ·ゴンヒエッセイ:企業長寿論>P.282

  • 電子、コンピューター、通信分野の目覚ましい発達と共に、これまでホワイトカラーが遂行してきた一般的な管理や日常業務を自動化されたシステムが代替するようになったのだ。 自然にホワイトカラーの立地は狭くならざるを得なくなり、このような傾向は今後さらに深まるだろう。 特に情報社会が開かれてからは、すべての職場が創造性、専門性、情報技術をあまねく兼ね備えた人を望んでいる。 このような流れを勘案すると、今後は創造力に優れ、自分の分野の専門知識が優れており、情報技術まで備えた専門職業人としてよく知識労働者と呼ばれるゴールドカラーが産業の主役になると予想する。

    <イ·ゴンヒ エッセイ: ゴールドカラーが必要だ> P.272

    8. 世紀末の変化と革新

  • 農耕社会、産業社会は基本的に物質的豊かさを追求する社会であるため、限られたパイをめぐって奪い合い奪われる「商いの社会」と位置づけることができるが、情報社会は分かち合いによって得になる共生の社会といえる。 しかし、韓国社会には残念ながら産業社会、さらに農耕社会の旧時代的思考と発想が多く残っているようだ。 ウィンを指向する共生概念の社会的システムが必要なのに、地域/計測/労使間の葛藤と対立はさらに進んでいる。 今からでも韓国社会、韓国国民全体が一日も早く過去の消耗的なパラダイムから抜け出し、情報社会が要求する生産的なパラダイムに変貌しなければならない。 政府行政、企業経営、国民生活の全分野で革命的な転換が起きなければならない。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:アトムからビトロ> P.152

  • これからは公害のない企業、地球と自然を害さない企業、人類の害にならない企業だけが生き残る。 公害を排出し、環境を汚染するのは子孫に対する犯罪行為だ。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:環境を考えるグリーン経営>P.228

  • 世紀末は変化と革新の時期だ。 技術の進歩と産業構造の変化により、企業は新しいビジネスモデルと戦略を開発しなければならない。 世紀末的変化は企業が変化に能動的に対応し革新を追求する時期だ。 既存の慣行に安住せず、新しいアイデアと創意的なアプローチを通じて成長と発展を成し遂げることができる。 世紀末の変化に対応できなかった企業は競争力を失い, 生存が困難になる可能性がある

    <イ·ゴンヒエッセイ:世紀末への挑戦>P.262、2回目

    9. 国家競争力の改善

  • 最近、企業の海外進出が活発になり、海外広報も増えているが、これを国際収支赤字の一因と見る見方もある。 このような雰囲気では、国や企業のイメージ改善を期待するのは難しい。 企業の海外広報は、品物を多く売って適正価格を得ようとする輸出拡大の一手段として受け止められなければならない。 日本はすでに60年代から国家イメージの重要性に気づき、通産省輸出振興予算の54%を海外広報事業に投入し、最近では国家イメージ広告をさらに拡大している

    <イ·ゴンヒ エッセイ:私たちの文化色探し> P.106

  • 複合化概念は行政、都市、産業、企業、福祉などすべての分野に適用できる。 複合化が広がれば、以前より何倍も大きい新しい国家競争力が生まれるのだ。 ところが、私たちは長い間断片的に思考し行動してきたため、物事を複合化の観点から見るのは難しい。 複合化するためには、まず集まる機会を頻繁に持たなければならない。 集まる場合にも自分だけが偉いという優越主義や自分の境遇だけを考える利己主義を捨て、相手を尊重して協力する精神、ある程度は自己犠牲も甘受する姿勢が必要だ。 そうしてこそ集まった人々の長所を一つに結合することができる。 これが複合化に向けた第一歩だ。

    <イ·ゴンヒエッセイ:博物館の原理>P.206

10. 国民-政府-企業協力

  • 結局、フランス、ドイツ、日本などが示したように、韓国も国家競争令を育てるために国民-政府-企業が三位一体にならなければならない。 どうすれば韓国が先進国の隊列に立ち、韓国企業が世界的な企業と競争できるだろうか? という観点から、政府は政策を通じて、国民は温かい理解と激励で企業を後押ししなければならない。 これに対して企業は、良い物を早く安くして世界市場に売り渡し、そこから得られる利潤で国民と社会に貢献する責任を負わなければならない。 そのためには韓国社会全般に存在する「規制と画一」という誤った価値観を先に変えなければならない。

    <イ·ゴンヒ エッセイ:手足を縛って走るなんて>p.121

  • 国民、政府、企業間の協力は国家競争力を向上させる核心要素だ。 国民は政府と企業との協力を通じて経済的、社会的発展に寄与できる。 国民は積極的な市民参加と創意的なアイデアを通じて政府と企業に対する要求事項を提示し、政策樹立に参加することができる。 政府は国民の意見を収集し、適切な政策を提供することで、国民の発展を支援しなければならない。 企業は政府の支援と規制環境の中で革新と成長を追求し、国家競争力を向上させなければならない。 国民、政府、企業間の緊密な協力は共生と発展のための重要な動力だ。

    <イ·ゴンヒエッセイ:共生の共同体を夢見て>P.211

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