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医療情報検索にはAIツールを実装しよう

AIリサーチアシスタント

画期的な進化を遂げたAIツールは診療になくてはならない存在になっています。診療現場で役立つ新たなAI医療情報検索ツールをまとめました。

SUMMARY AI tools that have undergone revolutionary evolution have become indispensable in medical practice. We have compiled a list of new AI medical information search tools that are useful in clinical settings.

その場の1分検索が可能に

AIツールを使いこなすことで、問題解決が早くなるばかりか、診療と同時並行で情報検索を進めることが可能となるため、時間効率的です。1分もあれば、検索できます。

もう、アシスタントとして診療には欠かせない存在となっています。

新しいツールが次々登場して追いつけないくらいですが、たくさんあるツールを用途によって使い分けることが必要となります。

現時点での実用的なAIツールを紹介しておきます。

尚、最新情報がさらに更新されていく可能性がありますので、ご注意ください。

一般的な検索手順

治療についての疑問を検索する場合、現時点では以下のような手順にしています。

AIサーチ手順

  1. 従来ツールのほうが早く解決できそうな場合、従来ツールを優先(後述)

  2. 専門性の高くない疑問にはPerplexity

  3. 論文検索は
    GPT:SciSpace(ChatGPT 4o)
    GPT:Consensus(ChatGPT 4o)

  4. 論文PDF入手できたら
    GPT:ひとりジャーナルクラブ(ChatGPT 4o)
    Claude Projects:ひとりジャーナルクラブ(Claude 3.5 Sonnet)

生成AIはLLM(大規模言語モデル)のため、学習していない限り、データベースを検索した結果を出力できません。現時点では、ChatGPT 4oやClaude 3.5 Sonnetで専門的な質問しても、適切な学術情報を出力できないことがほとんどです。

そこで、文献データベースを検索できるカスタムGPTを使うことがおすすめです。

日本語より英語で質問したほうがより正確な回答が得られる、という時期もありましたが、最近はあまり気になりません。

ひとりジャーナルクラブは論文の構造化抄録を作ってくれる、ぼくの自作プロンプトです。論文の内容についての質問にも答えてくれます。GPTは公開されていますので、ぜひ使ってみてください。

最近、Claude Projectsでも作ってみましたが、比較するとClaudeのほうが忠実な出力をしてくると感じます。

従来ツール

診療しながら質の高い医療情報(エビデンス)を検索できる代表的なツール、いわゆる三種の神器はこちらです。

  1. UpToDate

  2. DynaMed

  3. PubMed - Clinical Queries

これらは基本中の基本。ぜひ日常的に使いこなしたいツールです。

AIツール

Perplexity

https://www.perplexity.ai/

出力に出典が明示される(リンクで確認できる)仕様ため、情報の妥当性が確認できます。一般的な検索には便利です。もうGoogle検索は使わなくなりましたね。

SciSpace

2.8億の論文から検索できるプラットフォーム、SciSpaceが発表したカスタムGPT。疑問を入力すると、エビデンスを整理して日本語で回答してくれます。

参照リンクはSciSpaceにリンクされます。
https://typeset.io/

Consensus

2億以上の査読付き論文からすばやく検索するツール、Consensusが発表したカスタムGPT。疑問を入力すると、エビデンスを整理して回答してくれます。

参照文献はConsensusにリンクされます。
https://consensus.app/

ひとりジャーナルクラブ

PDFを貼り付けると、ランダム化比較試験・ランダム化比較試験のメタ分析について「構造化要約」を日本語で提供します。わからないことは、ChatGPTに質問するといろいろ教えてくれます。

ぜひご活用ください。

■ 編集長
byc (bycomet) Editor, Director & Physician
2007年からブログやツイッターで活動を開始。ウェブマガジン「地域医療ジャーナル」(2015-2023年、有料会員数10,886人月)、オンラインコミュニティ「地域医療編集室」(2018-2022年、累積登録40人)を編集長として運営。2022年にはオンラインプラットフォーム「小さな医療」(登録会員数120人)を運営。
地域医療に携わる医師・編集長として、エビデンスに基づく医療の実践と情報発信をつづけています。

■ 小さな医療|Discord(コミュニティ)

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