医療情報を探すため、専門家なら日常的に使っているエビデンス検索ツール3選をご紹介します。
慣れれば短時間で情報検索可能となる、おすすめのオンライン医療情報サービスです。
To find medical information, here are three evidence search tools that professionals use on a daily basis. We recommend these online medical information services, which enable you to search for information in a short time once you are familiar with them.
① UpToDate
エビデンスに基づいた臨床意思決定支援ツール。Wolters Kluwer社発行。
疾患などのトピックごとに章立てされています。一定の基準にもとづく専門的知見から専門家が文章にまとめる形式となっており、電子教科書のような使い勝手です。随時更新されています。
この検索窓から検索するだけ。検索は日本語にも対応していますが、本文は英語です。
最良のエビデンスが入手できるだけではなく、UpToDateを使うことで患者ケアが向上するという研究結果が多数発表されています。
患者向けなど無料閲覧できる部分もありますので、ぜひお試しください。
全体閲覧には購読料がかかります。医師は1ヶ月 $54.00から。情報の質は高いですから、使い倒せばコスパはよいです。(施設契約されている病院もあります!)
学生・研修医価格、グループ価格もあります。購読料の詳細はこちらから。
② DynaMed
こちらもエビデンスに基づいた臨床診断支援ツール。EBSCO社発行。
疾患などのトピックごとに章立てされています。エビデンスが論文ごとに箇条書きの短いセンテンスでまとめられているのが特徴。随時更新されています。
この検索窓から検索するだけ。本文は英語ですが、検索は日本語にも対応しています。
箇条書きのため結論の把握に時間がかからないこと、根拠となる文献にすぐたどり着けることなど、特徴を生かしたメリットがあります。随時更新され、情報更新も早いです。
利用には利用料がかかります。医師は年間44,220円(研修医/コメディカル/学生は31,460円)。
詳細はこちら。
③ PubMed
生命科学や生物医学に関する文献の書誌情報や要約を無料で検索できるサービス。米国国立医学図書館(NLM)発行。
MEDLINEという医学文献データベースを主な情報源としています。全文記事へのリンクもあり、文献に直接アクセスできて便利です。
トップの検索窓からではなく、Clinical Queriesから検索するのがおすすめです。自動的に検索式が追加され、質の高い臨床研究のみに絞り込まれます。
ここから入ると、Clinical Queriesの検索窓が現れます。
Filterは調べたい疑問の種類によって、Therapy、Clinical Prediction Guides、Diagnosis、Etiology、Prognosisを選びます。
Scopeは網羅的に検索するBroadか、絞り込むNarrowかを選びます。
あとは検索するだけ。治療についての文献はランダム化比較試験に絞り込まれます。
AND検索で絞り込むとさらに効率よい検索も可能です。
まとめ
医療情報を探すために有用な、タイパ重視のエビデンス検索ツールをご紹介しました。
まずは①UpToDate、②DynaMedなどのいわゆる二次情報サービスで検索するのが鉄則です。それでも情報が見つからなかったら、③PubMed Clinical Queriesで検索してみる、という順番がよいでしょう。
エビデンスに基づく医療を実践するには必携ツールです。
ぜひお試しください。
※情報収集・文章作成・画像生成にAIを活用しています。
■ 編集長
byc (bycomet) Editor, Director & Physician
2007年からブログやツイッターで活動を開始。ウェブマガジン「地域医療ジャーナル」(2015-2023年、有料会員数10,886人月)、オンラインコミュニティ「地域医療編集室」(2018-2022年、累積登録40人)を編集長として運営。2022年にはオンラインプラットフォーム「小さな医療」を開設。現在、登録会員数120人。
地域医療に携わる医師・編集長として、エビデンスに基づく医療の実践と情報発信をつづけています。
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